おどろきの心理学(妹尾武治、光文社)9章だけオススメ

山下です、

『万物の霊長』

というフレーズがあります。

「霊長」とは、最も優れていること。

つまり、この世で最も優れているもの..

人間のことです。

確かに、他の生物と比べると
人間は優れているかもしれません。

同じ霊長類の中でも、猿、ゴリラ、
チンパンジーなどよりも
優れているのかもしれません。

一応、道具や言葉を使って、
いろいろできますからね。

それでも、個人的にはこの表現、
かなり違和感を感じます。

はっきりとは分かりませんが、
おそらくヨーロッパの白人社会で
昔から使われていたんでしょう。

上に立つものが下を見下すような
雰囲気がぷんぷん漂うフレーズ。

私なら謙遜してしまいますが、
まあ、気持ちは分かりますよ。

例えばギザのピラミッドを見て

「現代の建築技術を持ってしても..」

なんていうセリフ、よく聞きますし、
何かと一番になりたがる習性って
あると思います。

でも実際のところは、人間って
思っているほど優秀じゃありません。

勝手に評価を上げているだけです。

福沢諭吉がプリントされた
日本銀行券を見て、

「1万円の価値がある」

と私たちは信じていますが、実は
10円くらいの価値しかないのと
似ています。

実は人間って、ちょっとだけ器用な
お猿さんなんだと思います。

しかも、その器用さがアダになって、
逆に意味のない人生を送っている
ちょっとだけ器用な、可哀想でおバカな
お猿さんでしょう。

おどろきの心理学に驚いた

もちろん私もその一人。

こんな話をして、意味のない事に
エネルギーを消費して、毎日ムダに
二酸化炭素を撒き散らしています。

最近、この本を読みました。

おどろきの心理学
人生を成功に導く「無意識を整える」技術
(定価)880円+税
(発行)2016年2月20日、光文社
(著者)妹尾武治(せのおたけはる)、心理学博士

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目次

はじめに
序章 赤い服は本当にモテるのか?
1章 合コン必勝法はなぜ失敗したのか?
2章 必ず相手に好かれる方法
3章 賢くなりたければ、脳を活性化させるな
4章 ポジティブ・シンキングで人生が変わる?
5章 サブリミナル効果はウソ?ホント?
6章 血液型診断という亡霊
7章 スポーツに「流れ」は存在するか?
8章 人の記憶はアテにならない
9章 人は無意識に支配されている
10章 心理学は科学なのか?
あとがき
参考文献

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正直、特にオススメはしません。

10年ほど前からの心理学ブームに
疑問を抱いているなら、一度
読んでみてください。

博士らしく批判的な立場で書かれているので
共感できる部分もあると思いんます。

特に興味がなければ、読む必要ありません。

タイトルほど、おどろくような内容じゃ
ありません。

逆におどろかなすぎて驚きました。

ただ、これから9章の話をしたかった
ので、一応紹介しただけです。

9章では、人の「意識」についての
実験結果が簡潔にまとめられています。

あがいても、無駄

私たちは、自由に意見を持っていて、
好きなように考え、発言し、行動している
と思いますよね。

私もそう思っていました。

でも、よくよく考えてみると、
その自由な意思を決めるための意思が
それより前に必要なんですよね。

これを決めるための意思、
を決めるための意思、
を決めるための意思…

というふうに、実は無限に続きます。

無限に続くハズですが、今現在、
それほど深く考えていないですよね。

例えば、今から10年後。

あなたが温泉でオナラをした
としましょう。

周りにバレないことを確認し、
あなたの意思でブクブクっと
放屁したとしましょう。

ガスを放出させようと決めた意思、
を決めるための意思、
を決めるための意思…

と10年過去にさかのぼり、現在。

今、あなたのその意思がありますかね。

多分ないですよね。

検討もつかないと思います。

ですから、実は私たちに自由な意思
なんてものは“ない”ということが、
書かれているんです。

意志を持つ前に、もうすでに脳内では
やることが決定していて、その直前に
意志(と呼んでいる錯覚)を感じている
だけのことらしいんですよね。

つまり、意識していない意識、無意識が
私たちを動かしているわけです。

『万物の霊長』としては受け入れ難いですが
もし正しいとするなら、これはもう
他の生物、動物とか植物と同じレベルですよ。

普段、いろいろ考えているようで、
実は何にも考えていませんでした
っていう話ですからね。

おそらくその通りなんでしょう。

人間なんて、そんなに賢くないですよ、
私は特に。

でも、そう考えた方がスーッと力が抜けて
気が楽になるんですよね。

どんだけ頑張ったって、見栄を張ったって
所詮、ちょっと器用なお猿さん。

「ウキーーッッ!ウィッキーーー!!」

てお猿さんの真似でもしながら
バナナでも剥けば、意外と人生
楽しそうじゃないですかね。

妙なプライドを捨てて、ありのままの
自分になれる気がします。