ブラック・コピーライター誕生

2017/07/04

山下です、

「コピーライターです」

というと、

「へーー」

って言われます。

それまで、

「ねえねえ、仕事何してるの?」

と興味深く質問していたのに、
一気に表情が変わります。

鳩が豆鉄砲を食ったような顔。

おそらく理解されていません。

私も深く説明しません。

ですから、結構誤解されます。

70代のお姉さまからは、

「これ、やってるんでしょ」

と、両手を前に出し、指を動かし、
キーボードを操作しているような
仕草をされました。

ちょっと馬鹿にしてますよね。

また、ある50代のお姉さまからは

「作家でしょ」

と言われます。

もちろんノーコメント。

あと、よく男性からは

「楽して、儲かってるでしょ」

と言われます。

勤務先がありませんから、
いわゆる「出勤」なし。

好きな場所で仕事をして、
好きな時に起きて、寝る。

上司から、お客さんからの
指示やクレームもゼロ。

収入も自分で決められます。

つまり、全てのスケジュールを、
自分で決めることができるわけです。

ですが、「楽」じゃないですよ。

私の1日には、ムダな時間が
1秒くらいしかありません。

やること、やりたいことで
もうビッチリ埋まっています。

仕事の量は多く設定していますから、
おそらく、いわゆる「ブラック企業」
の社員さんより忙しいです。

それは「楽」しようと思えば、
いくらでもできますよ。

でも、それなりの結果に、
私は興味がないんですよね。

いわゆるサラリーマンや公務員と
違いは何かといえば、

「他人が決めるか、自分で決めるか」

これしかないですね。

少し意外に聞こえるかもしれませんが、
これしかないです。

実は、「職業」という単語には
もう既に決められた意味が含まれます。

ですから、

職業=他人が決めた仕事

という意味が非常に強いです。

誰かがつくりあげたシステムを利用して、
収入を得る場合のみ、通用する単語なんです。

例えば、「士業」は全てそうです。

誰かが決めた資格を取って、
誰かが決めた仕事をする。

例外なし。

分かりやすですよね。

「職業」という単語が使えます。

他には、サラリーマンや公務員だと、
誰かが決めた契約書にサインして、
誰かが決めた仕事をします。

その人がどう決めるのかによって
多少の自由度があるものの、

まあ、分かりやすいです。

「職業」という単語が、まあ使えます。

ところが、全て自分で決めるとなると
「職業」という単語が使えません。

そう、使えないんです。

使えないのですが、聞かれます。

困ります。

かなり困ります。

そうして絞り出した答えが、

「コピーライターです」

なんです。

より正確に表現するなら、

「自分の名前」なのかもしれません。

自分で決めるということは、

人生そのものが仕事ですからね。

それで、

「山下です」

なんて言っても、通用しないので
言わないですけど..

あと100年もすれば、「職業」という
単語自体が消える、と私は思います。

死語になるでしょう。

誰かが決めることができるなら、
予めプログラミングできますから、
ロボットやAIで代替できます。

そうなれば、今の「職業」からは
人間がいなくなります。

もう既に、将棋や囲碁では
当たり前のようにAIが強いです。

「誰かが決めたルール」があるので、
圧倒的に強いです。

これがもし、ルールなしの将棋・囲碁
だったらどうでしょう。

そもそも、勝ち負けがなくなるので、
強いも弱いもありませんよね。

人生そのものが、仕事であり、職業です。

という時代が着々と近づいています。

だからと言って、楽になるわけじゃないですよ。

今まで他人が決めていたことを
自分で決めるわけです。

やること、やりたいことは無限にあるので、
今以上に忙しくなりますよ。