正しい恨みの晴らし方 科学で読み解くネガティブ感情 レビュー (著)中野信子・澤田匡人

2017/12/19

山下です、

「倍返しだ!」

2013年のユーキャン新語・流行語大賞で
堺雅人さん演じる“半沢直樹”の名ゼリフ。

なぜ、一企業の企画があれほど報じられるのか
という問題は一切ムシして..

流行りましたよね。

あなたも一度は使ったこと
あるんじゃないでしょうか。

銀行員の出世競争。

やったりやられたりで、もうドッロドロの
人間模様だったと思います。

しかも現実的に起こりそうなことで
共感した人が大勢いました。

恨み、妬み、憎悪

私たちが一番感じたくない苦しい感情に
共感したわけです。

「やられたら、やり返す」

悪に対して自分の正義を貫きたい。

あいつごときが自分よりも良い思いをする
なんて絶対に許せない。

私たちは子供の頃からおそらく死ぬまで
こんな感情を持っている生き物です。

  • 芸能人や政治家の浮気が許せない
  • 宝くじ一等当選者が許せない
  • 同僚、ライバルの出世が許せない

私たち人間は、論理的には説明できない
汚らしく、醜い考え方になる時があります。

私なんていつもそうです。

便秘でもうダメだと思っていた時、
毎朝快便っぽい元気な人を見ただけで

「こいつ、フザケンナよ」

って思ってました。

グラマラスで美しい女性と一緒に歩く
男性とすれ違うだけで、

「どうせ長くは続かねーよ」

なんて思いますし、

自宅はタワーマンション、休日は海外で
イェーイなんていう写真を見ると

「アホか」

って言います。

本当に小さな人間ですよ、私は。

「認めたくない、でも実際は存在する」

そんな感情について知っておけば、
なんとなく救われたような気分がします。

今回紹介する本、

『正しい恨みの晴らし方』

では、人間の汚らしい部分について
分かりやすく解説されています。

正しい恨みの晴らし方
科学で読み解くネガティブ感情
(発)2015年2月2日、株式会社 ポプラ社
(著)中野信子(なかの・のぶこ)脳科学者。澤田匡人(さわだ・まさと)心理学者。

  • なぜ、既読スルーが許せないのか
  • なぜ、必殺仕事人は好かれるのか
  • なぜ、リア獣が許せないのか

こんな疑問を感じたことがある場合は、
手にとってみてください。

構成はこんな感じです。

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正しい恨みの晴らし方/目次

はじめに
第1章 恨まずにはいられない~心理学の視点から①
第2章 妬みと羨みの心理学~心理学の視点から②
第3章 妬みを感じるとき、脳では何が起こっているのか~脳科学の視点から①
第4章 正しさにこだわる人たち~心理学の視点から③
第5章 正義という名の麻薬~脳科学の視点から②
第6章 愛が憎しみに変わるとき~心理学の視点から④
第7章 嫉妬の脳科学心~脳科学の視点から③
第8章 ネガティブ感情の意味~脳科学の視点から④
第9章 私たちのネガティブ感情との付き合い方 対談
おわりに

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また、著者の澤田さんが記した「はじめに」で
分かりやすい解説があったので抜粋しておきますね。

【「はじめに」から抜粋】

逆もまたしかりです。自分のしあわせな場面を切り取ってSNSに投稿したならば、それを見た人から好意的に見られるばかりでなく、妬みを買うリスクもあるからです。まさに、 SNS は妬み恨みが燻りやすい世界を具現化したものといえるのです。 

では、私たちはなぜ、「恨み」「妬み」「羨み」「嫉妬」など、できることなら感じたくもない苦しみを味わうのか。しかも、ときに私たちをさらなるネガティブな行動に駆り立てるのか。そもそも、こうした感情は一体何のために存在しているのか。

誰か恨まずにはいられない。誰かが妬ましくて仕方ない。そんなとき、私たちの心や脳は、どのような変化が生じているのか。こうした問いに、本書では心理学と脳科学の地検から迫りタイと思います。

私は、特に「感情」を専門とした心理学者のひとりですが、今回は、脳神経科学を専門とする中野信子先生と力を合わせて、「恨み」をキーワードとした本書を提供する機会を得ました。(章のサブタイトルに「心理学の視点から」とあるのは私、「脳科学の視点から]とあるのは中野先生が執筆した章です)。

一般的に、人間の「心」お解き明かす学問として同一視されがちですが、両者は心を説明しようとする上での指標が異なります。簡潔に言えば、心理学では「行動」を、脳科学では「神経」を心の指標として扱うのです。いずれも、心それ自体を扱っているわけではありませんが、心の働きに迫るという目指す射程は同じです。

本書を通じて、恨みや妬みの正体に迫り、それらを有効に活用するすべを提案したいと思います。卸しがたいネガティブ感情にも、きっと何か意味があるはず。それに気付くだけでも、これまで見えていた世界が一変するかもしれないのです。

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この本では、科学的な理由とか原因について
詳しく解説されていますが、

「じゃあ、どうすればいいのか」

という部分についての解説が
非常に少ないです。

ないわけじゃありませんが、しっかりと読み進めないと
分かりづらいでしょう。

そこが残念ですね。

ただし、「負の感情」について何も知らずに
生きていくよりは、理由くらい知っている方が
遥かに良いですよね。

自分がネガティブになった時でも、その感情を利用
することで逆にポジテイブになれるはずですし、
他人のことも論理的に観察できるようになるハズ。

例えば、女子高生に淫らな行為をした中年男を
「許せない!」と憤ったとします。

その場合、すごく簡単に言えば
その人もそうしたいわけです、本当は。

でも、でいない。

したいけど、できない自分がいる。

「俺は我慢しているのに、お前だけズルい」

「そんなこと、正直に言えるわけもない」

だから許せず、憤慨し、悔しいがり、
必要以上に反応してしまいます。

それが自分だったら、自分に対して、
他人だったら、他人に対して
深く理解することができますよね。

そういう意味で、おもしろい一冊ですよ。